上神野のおみやげ紙袋や直売所「柿の木」のシャッターにも描かれているマスコットキャラクター「美里ちゃん」。デザインと絵を手がけたのは国際的なアニメーション作家である森本晃司監督。「てとてよ上神野」のプロジェクトの初期から影に日向に大活躍している森本監督は上神野の三尾川地区出身。いまは廃校となってしまった、プロジェクトの拠点・上神野小学校の卒業生でもあります。
「東京や都会にいるみんなにも田舎を見せてあげたいーー」当初からそうおっしゃっていた森本監督。
「美里ちゃん」と上神野についてきいてみましたーーーー
----いちばんわかりやすい説明をするとなんて答えますか?
「猫の手も借りたい」(笑)上神野のひとたちの、地域の気持ちを表現しました、という(笑)和歌山だから猫かな、と思ったんですよね。たま駅長とか。
----ああ、なるほど(笑)
あれは貴志駅(わかやま電鉄貴志駅)だっけ。上神野の川も貴志川だしね。
----「美里ちゃん」の名前は紀美野町合併前の「美里町」からですよね。
やっぱりうちとこの感覚だと(地元の町名は)「美里町」なんですよね。最初はとにかくオレンジのイメージがあって。ミカンとか、柿とかのオレンジのイメージ。
----森本さんのご実家でもミカンつくってたんですか?
作ってたよ。うちの田舎はだいたいどこでも作ってた。梅も柿ももちろん作ってたし、だいたいなんでもちょっとづつひととおり作るんだよね。お米も作ってた。
----お米も作ってたんですか!
だからひととおり食べるものはうちにあるんですよ(笑)
----そういえばすごく綺麗な棚田もいっぱいありますしね。川で魚も捕れるし、豊かですね(笑)
子供の頃なんてほぼ毎日川に入ってたからね(笑)美里ちゃんのイメージも川なんです。柿や蜜柑と、きれいな川の水をイメージしてキャラクターにしたのが「美里ちゃん」です。
----小学生のときとか、むかし上神野の食べ物で何がいちばん好きでしたか?
やっぱり寿司かなあ。。鯖寿司がね、美味しいんですよ。
----上神野に来てここは見てほしい、ってオススメするとしたらどこですか?
不動の滝っていう滝があって…不動明王のちょこんとした祠があるんだけど、滝壺に平たい岩があるんですよね。もう、そこに座って打たれてくださいと言わんばかりの(笑)
----夏とか打たれてくださいと(笑)
そうそう(笑)不動の滝と、あとは蛇岩さんまで歩いたり、途中にほんとに良い感じの神社があるんですよ。(大将軍神社)すごいいい感じで朽ち果ててて。
----あそこはほんとうに美しいですね。連れて行ってもらって感動しました。ほんとに神様がいそうで。
そうそう。きちんと整備されてる訳でもなくて。あとはやっぱり餅撒きかな。餅まきは是非みんなに一度見に来てもらいたいです。
森本晃司監督プロフィール
1995年に『MEMORIES』EPISODE 1『MAGNETIC ROSE(彼女の想いで)』1996 年に『EXTRA』(KEN ISHII)の MV を監督。代表作に『アニマトリックス』
2008年『Genius Party Beyond -Dimension Bomb- #5 次元爆弾』を監督。映像美を表現した前衛的アニメーション作品として世界中で話題になり、2011年パリ・カルティエ現代美術館「MOEBIUS-TRANS-FORME(メビウス-トランスフオーム展)」にて上映され、同年、アメリカ/ロサンゼルスで開催された「Little Tokyo Design week」で上映。
2011年にフランス禁煙広告キャンペーンで発表したインタラクティブWEB広告「Attraction/魅力」でカンヌ・インターナショナル・クリエィティビィティ・フェスティバルにてサイバー部門銀賞を受賞。
2013年、LEXUS社と、ハリウッドのマルチメディア プロダクション、ワインスタイン・カンパニー社よって製作されたショートフィルム作品「LEXUS SHORT FILMS」中の「A Better Tomorrow」アニメーション パート監督として参加。この作品は第66回カンヌ国際映画祭にてワールドプレミアで初リリースされた。
2016年 ルパン三世 イタリアン・ゲームのオープニングアニメーション絵コンテ・演出・原画・美術を、2017年TVアニメーション・シリーズ 『18if』の総監修、#10『α夢次元』(アルファ夢次元)を監督。