柿とともに主要な名産といえばなんといっても上神野の「ぶどう山椒」。京都の料亭や首都圏のカレー店などからも最高級の山椒として珍重されるとても辛みの強い山椒です。品種は但馬の朝倉山椒を改良したもの。この地域と山椒のかかわりは古く中世の荘園の名にも「椒 ( はじかみ )」 荘がいまの海南市のあたりにあり地名にも残っています。

left

上神野の名物「柿」やミカン科の山椒、地域の 食生活に欠かせない「茶」。柑橘類はじめ光沢のある葉を持つ「照葉樹」が育つ地域には、日本列島 のみならずチベット雲南から中国南部まで「照葉 樹林帯」と呼ばれる地帯がひろがっています。 このことに着目した「照葉樹林文化論」は植物学者 中尾佐助氏のネパール・ヒマラヤの調査での発見 からはじまったものでヒマラヤの海抜 1500~2500m 地帯を基準に、ブータン~東南アジア北部の山岳地帯~雲南~中国南部から日本列島の南部にかけ てウルシから漆器を作る技術、蚕から絹を作る技 術、モチをハレの日に食べる文化、山の上に先祖 や神様がいるという「山上異界観」と、巨石に 神様が宿る信仰や「歌垣」などの共通した文化が広がっています

食文化ではモチ文化のほか、大豆を発酵させる文化、葉を茶にして飲む文化、こんにゃくという特殊な食物、なれ鮨、チマキ、麹、サトイモ、醸造酒など。これらは列島に米作が入ってくる以前の、縄文時代にさかのぼるものもあると考えられています。

mapにもどる